登志夫38歳、「ヨーロッパ歴史旅情」刊

昭和38年出版のこの本は、登志夫唯一の旅を主題にした本です。登志夫といえば、昭和35年の歌舞伎初のアメリカ公演をはじめ、数々の歌舞伎海外公演に文芸顧問として同行しました。行く先々で、その国ならではのお客様の反応を調査分析もしましたが、ここでもやはり、たくさん見て、たくさん比較して、本質を探ろうという、演劇や歌舞伎の研究に対するのと同じ姿勢が感じられます。
「演劇を含めての文化と、風土と、人との相関関係を、関心を抱いた具象を通じ、歴史に照らして確かめつつ、しかもその折々のささやかな感懐を伝えながら記述」した一冊。
観光客ばかりの場所だけ見ても、その国が理解できるわけがない、という考えで、夜の酒場などにもためらわずに単身足を踏み入れ、人との相関関係も築いています。
また、折に触れ紹介したい面白い一冊です。


河竹登志夫 OFFICIAL SITE

演劇研究家・河竹登志夫(1924-2013)、登志夫の父・河竹繁俊(1889-1967)、曽祖父の河竹黙阿弥(1816-1893)     江戸から平成に続いた河竹家三人を紹介するサイトです。(http//www.kawatake.online) (※登志夫の著作権は、日本文藝家協会に全面委託しています。写真・画像等の無断転載はご遠慮願います。)