昨年出版された繁俊の本

昨年9月10日発行の河竹繁俊著・「歌舞伎十八番集」。講談社学術文庫です。知人が教えてくれるまでこの本が出版されたことは家族は誰も知らず、キツネにつままれたようでした。たしかに、繁俊が亡くなってすでに昨年で52年が経過しており、著作権が切れていました。現在では著者の死後70年は著作権が続くことになっていますが、改訂前に切れているものはそのまま50年なのです。

でも、こんなに立派な文庫本が蘇るとは、繁俊さんも喜んでいることでしょう。今年は團十郎襲名が行われる予定でしたから、それに合わせての発行だと帯のコピーにもありますが、それもコロナのことで延期になったので、かえって本を読んでもらえる期間も長くなったのかもしれません。

内容はたいへんわかりやすい語句の注釈もあり、歌舞伎十八番解題という十八番物の意義や由来など、面白く解説されています。文庫ですが540ページあります。團十郎襲名までに読んでおきたいものです。

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演劇研究家・河竹登志夫(1924-2013)、登志夫の父・河竹繁俊(1889-1967)、曽祖父の河竹黙阿弥(1816-1893)     江戸から平成に続いた河竹家三人を紹介するサイトです。(http//www.kawatake.online) (※登志夫の著作権は、日本文藝家協会に全面委託しています。写真・画像等の無断転載はご遠慮願います。)