切抜帳20より⑤/国立劇場歌舞伎公演プログラムほか

1988年6月、恒例の国立劇場歌舞伎鑑賞教室、監修の言葉。『傾城反魂香』上演に当り、「奇跡と夫婦愛と」。

続く7月は『毛抜』上演に当り、「江戸のSF劇」。

同年11月、国立劇場プログラムに海外での歌舞伎として、尾上梅幸氏と対談。内容とは関係ありませんが、梅幸さんがソウル公演の3日目は実年のお客さんが多かったと言っています。「実年」という言葉、なんだったっけと調べると、1985年(この対談より3年前)に当時の厚生省が公募して、50~60歳代の年齢層を指す言葉として決定したとのこと。あまり定着しませんでしたが、しばらくは使われていたのですね。

登志夫の著書「歌舞伎美論」のちらし。

「伝統と文化」に「伝統文化と国際性」。それぞれの文化の個性を大切にすることが平均化・統一化よりも大切だと考察しています。歌舞伎の女方の継承はこれまで通り男性の役目なのか、この頃は女優さんが歌舞伎座の大歌舞伎の舞台に参加することもありますが、今後どうなっていくのか。ということにも関係しているかもしれません。

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演劇研究家・河竹登志夫(1924-2013)、登志夫の父・河竹繁俊(1889-1967)、曽祖父の河竹黙阿弥(1816-1893)     江戸から平成に続いた河竹家三人を紹介するサイトです。(http//www.kawatake.online) (※登志夫の著作権は、日本文藝家協会に全面委託しています。写真・画像等の無断転載はご遠慮願います。)