黙阿弥展イベント/神田伯山の村井長庵@大隈講堂
この作品は、歌舞伎では1979(昭和54)年8月の国立小劇場以来、上演は絶えているとのこと。この時は、吉右衛門さんが長庵、その他出演は田之助さん、宗十郎さん、段四郎さん、左團次さん…。今ご健在なのは由次郎さんくらいです。ぜひ、歌舞伎でみてみたいものです。この時、登志夫がプログラムに寄稿しています。黙阿弥の「会心の作」とは……?そしてその意味とは?登志夫が推測しています。
伯山さんの講談のあとは、今岡謙太郎先生、児玉先生、伯山さんとの鼎談。今の伝統芸、落語や文楽、歌舞伎のお話、黙阿弥や円朝、三題噺のことなど、面白いおはなしが続きました。落語の人気作「鰍沢(かじかざわ)」がじつは円朝作ではなく、黙阿弥が三題噺で書いたものということがほぼ確実だというお話もされていました。
当日の配布資料には、今岡先生が作られた表があり(著作権的に表はここにあげられませんが)、「天一坊」「宇都谷峠」「鼠小僧」「髪結新三」ほかたくさんの黙阿弥作品が、講談を脚色して作られ、歌舞伎と寄席芸がお互いに影響し合って一層レベルアップしていくということがよくわかり、驚かされました。権利意識の高い今なら、原作料が莫大でしょう。
トークは予定時間をオーバーしても話が尽きず、客席ももっと聞きたい、と思いましたが、みんなで手締めをしてお開きとなりました。
「黙阿弥展」では、すばらしい図録も販売されています(価格は1818円+税)。
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