昭和53年/三代目猿之助(二代目市川猿翁)さんと対談(後編)


前々回の対談の後編です。登志夫と猿之助さん(猿翁)の海外公演についてのお話です。登志夫と猿之助(團子時代)は、ソ連公演を共に過ごして、登志夫はすっかりその才気や華に魅せられていました。猿之助も、帰国前には、「この度では河竹さんと知り合えたのが収穫だ」と言ってくれたそうで、登志夫はそれを手帳に記していました。登志夫が猿翁さんに最後に会ったのは、10年前、歌舞伎座新開場手打ち式の日でした。ふたりとも車椅子で、手打ち式が終わった後、皆楽屋を通って退出しましたが、その時向こうの方に一門の皆さんに囲まれた猿翁さんがいらっしゃいました。その時には登志夫も、体調はよくなかったので、わざわざお声もかけず、狂言名題読み上げのお役を果たして早々に帰りました。それでも、芝翫さんや菊之助さんなど、声をかけていただいた方々とは挨拶程度のお話をしましたが…。

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演劇研究家・河竹登志夫(1924-2013)、登志夫の父・河竹繁俊(1889-1967)、曽祖父の河竹黙阿弥(1816-1893)     江戸から平成に続いた河竹家三人を紹介するサイトです。(http//www.kawatake.online) (※登志夫の著作権は、日本文藝家協会に全面委託しています。写真・画像等の無断転載はご遠慮願います。)