4月の黙阿弥作品 明治座「大杯」と歌舞伎座「連獅子」

例年より早い満開の桜が明治座の前を彩っていました。(3月29日撮影)
明治座の創立150周年を祝うスタートの「壽祝桜四月大歌舞伎」。黙阿弥作品は昼の部の「大杯觴酒戦強者(おおさかずきしゅせんのつわもの)」です。歌舞伎座で十二代目團十郎さんの馬場三郎で拝見したのは平成11年のことなので、24年も前の事です。今月は芝翫さんの馬場三郎、梅玉さんの井伊直孝、幸四郎さんの紀伊守です。黙阿弥が、初代市川左團次のために当て書きしたので、好評で、明治座の前身千歳座でも何度か上演しています。
明治座近くの緑道公園、かつての浜町河岸です。

歌舞伎座の夜の部では「連獅子」。松緑さんと左近さん親子がこんなにがっつりと共演したのは初めて見ましたが、初日があいてすぐ、緊張感も感じられ、大変新鮮でお二人のバランスも呼吸もよく、目を離せませんでした。左近さんはこれから注目したいと思わせる俳優さんに思えました。毛振りももう終わりかな、というところからまだまだ続き、万雷の拍手でした。仁左衛門さん、玉三郎さんのお富与三郎は安定ですが、何度でも見たい面白さ、充実の夜の部でした。


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演劇研究家・河竹登志夫(1924-2013)、登志夫の父・河竹繁俊(1889-1967)、曽祖父の河竹黙阿弥(1816-1893)     江戸から平成に続いた河竹家三人を紹介するサイトです。(http//www.kawatake.online) (※登志夫の著作権は、日本文藝家協会に全面委託しています。写真・画像等の無断転載はご遠慮願います。)