黙阿弥とネズミ②

黙阿弥の長女糸の話の引用続きです。(繁俊著「河竹黙阿弥」より)


そうして飼われているのですから「お前たちも恩を忘れなければ、鼠は四相を悟るものともいうから、火災のある時には立去って報せよ」と言付けておきました。その故か、現に一度などはすっかり居なくなって、二日程御飯も何も喰べなくなりましたから、當るも八卦當らぬも八卦だと申して、荷物を片付けましたが、二日目に半焼になったので、皆して顔を見合せて驚いたこともございました。鼠を飼ったなどと申して、ペストでやかましい今日だったら大騒ぎでございましょう。


ペストなど、まだ鼠を媒介とする病気が知られていなかった頃のお話しです。

この絵は、1996年(平成8年)の歌舞伎座筋書の扉の絵を連載したときのものです。登志夫72歳。こういう漫画のような絵はあっという間に描いてしまいました。

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演劇研究家・河竹登志夫(1924-2013)、登志夫の父・河竹繁俊(1889-1967)、曽祖父の河竹黙阿弥(1816-1893)     江戸から平成に続いた河竹家三人を紹介するサイトです。(http//www.kawatake.online) (※登志夫の著作権は、日本文藝家協会に全面委託しています。写真・画像等の無断転載はご遠慮願います。)