登志夫の葬儀
葬儀の日は両日とも暖かく五月晴れでした。
松竹の顧問、都民劇場の理事長ということもあり、それぞれから多くの皆さんが粛々と準備万端進めて下さり、本当に感謝の一言でした。おかげさまで静かなゆったりした、心休まるような葬儀になりました。
たくさんの方がお花をくださいましたので、葬儀社の方と相談して、野の花が風に揺れるような柔らかな感じにしつらえていただきました。生きている間、周りへの心配りをしながら、緊張気味に生きた登志夫に、ゆっくりやすらいでもらいたい気持ちでした。
通夜の日に天皇皇后両陛下から祭粢(さいし)料とお花が届けられました。小ぶりの真っ白な菊の花が清楚に竹の籠に入れられて、心が洗われるような清新な気持ちがしました。常々ご心配下さった上のお心遣いで、ありがたいことでした。
弔辞は松竹会長大谷信義氏、学生時代からの畏友、野村万作氏、長年のお付き合いの藤村志保氏にお願いしました。
お忙しい方々が大勢参列してくださり、家族にも優しい声をかけてくださいました。ご迷惑な事でしたが、感謝の二日間でした。
葬儀場を皆様に送られて出発する時、登志夫はいつもよりリラックスした笑顔で、さよならではなく、それぞれの方に、ありがとうまた会いましょうと言っているような気がしました。
戒名は黙阿弥にならって釈俊雄居士と生前本人が決めていました。
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